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概念分析のおはなし

「コンピュータは、ニュートンの法則を発見できるか」

講師
浜松大学
経営情報学部経営情報学部
情報ネットワーク学科
鈴木 治
1.はじめに
• 多くの状況や現象には、原理や法則が隠されている
ことが多い。

• コンピュータによって、これらの原理や法則を発見で
きないだろうか?

• この40年間、コンピュータはそれほど賢くなってい
ない。大体でいいから、人間に知識を教えてくれるよ
うにはならないか?
事 例
 
• リンゴが木から落ちる現象⇒物と物が引き合
う力の存在(万有引力の法則)

• いろいろな症状の人の診察⇒共通した症状
に病名をつける(風邪、虫垂炎、かっけ・・・)

• 繰り返される内戦⇒消え去ることのない過去
からの憎しみ(歴史的背景)
2.概念分析の基本(外延と内包)
~ものごと自体とその性質~
                     
• 「外延」(Extent、Gegenstande):
  対象とするものや人、現象などそれ自体

• 「内包」(Intent、Merkmale):
  そのものを特徴づける属性や性質など
外延と内包の例
 外延(Extent)     内包(Intent)

 山田一郎      男、40歳、185cm、一郎

 DELL5400     ペンティアム4,メモリ128MB 
             TFT17インチ、16GBディスク

 風邪       発熱、咳、鼻水、のどの痛み
3.概念分析の由来   

 もともとは、数学及び哲学領域の学問
 E.Galois(1811~1832年):
        群(Group)、体(Field)、束(Lattice)
 束論:G.Birkhoff 
   「Lattice Theory」(1940年)
 束論の応用:R.Wille 
   「Restructuring lattice theory」(1982年)
 数学的な表現:
      Context(G,M,I) where I⊆G×M
    但し、G:Extent M:Intent I:GとMの関係 
4. 概念構造の用語

・コンテキスト(文脈、前後関係)
  対象から得られる外延と内包の組の集合

・コンセプト(概念)
  コンテキストを整理・統合し、矛盾なく構造化したもの

・コンセプトラティス
  コンセプトを数学的(束論)に定式化したもの
ラティス(Lattice)とは
要素の組み合わせ方に曖昧さがない構造
  ラティス          ラティスではない
太陽系のデータ(参考資料)
惑星名   半径    太陽からの   月の      重さ
       (㎞)     距離(万㎞)   有無    (地球を1)
水星    2,440 5,800 なし 0.055
金星 6,052 10,860 なし 0.815
地球 6,378 15,000 あり 1
火星 3,397 23,000 あり 0.10
木星 70,000 78,000 あり 317.8
土星 60,000 143,000 あり 95.1
天王星 26,000 290,000 あり  14.5
海王星 25,000 450,000 あり 17.15
冥王星 1,200 590,000 あり 0.0022

月 1,738   38 (地球から)    -      0.012


太陽系の図(参考資料)

http://spaceboy.nasga.go.jp/note.taiyo/j/tai01.htmlから
コンテキストの例(太陽系)
外延          内   包
 {惑星名},{大きさ 太陽との距離 月の有無}

 { 水星 }, { 小さい   近い なし }
 { 金星 }, { 小さい   近い なし }
 { 地球 }, { 小さい   近い あり }
 { 火星 }, { 小さい  近い あり }
 { 木星 }, { 大きい  遠い あり }
 { 土星 }, { 大きい  遠い あり }
 { 天王星 },{ 中ぐらい 遠い あり }
 { 海王星 },{ 中ぐらい 遠い あり }
 { 冥王星 },{ 小さい  遠い あり }
5.概念分析の手順
 対象とする現象について、コンテキストを抽出
し、コンテキスト表を作成する

 コンテキスト表を、コンセプトラティスに変換す
る(Formal Concept Analysis)

 コンセプトラティス構造の検証、知識の獲得
太陽系コンセプトラティスの例
(コンテキスト表とその図表)

↓コンテキスト間の関係
太陽系コンセプトラティスの例
(概念分析の図表)

水星 地球 木星 天王星 冥王星
金星 火星 土星 海王星
6.概念分析による知識の獲得
► コンセプトラティスを用いた知識の獲得
► 概念形式の分類

 (1) コンセプトラティス(前述)
 (2) 完備化形式
 (3) 差分形式
 (4) メタ(核)形式
コンセプトラティスの形式
完備化形式:
 コンセプトラティスのIrreducible(不可欠な)要素のみ
を用い、あらゆるコンセプトの組み合わせを作成
・差分形式:
 コンセプトラティスにおいて、内包の追加情報のみを
残して表示する
メタ形式:
 コンセプトラティスを再生合成できる核(メタ)情報とな
るラティス
FCAJ(Formal Concept Analysis By Java)
概念分析ツール
太陽系コンセプトラティスの例(再掲)
(概念分析の図表)
太陽系コンセプトラティスの例
(差分ラティスの図表)

水星 地球 木星 天王星 冥王星
金星 火星 土星 海王星
太陽系コンセプトラティスの例
(コンセプトラティスのメタグラフ)

水星 木星 天王星

金星 土星 海王星
太陽系コンセプトラティスの例
(コンセプトラティスの完備化グラフ)

地球 木星 天王星 冥王星 水星
火星 土星 海王星 金星
7.概念構造の特徴

 例1:順序構造(整理された)をもつコンテキスト

 例2:独立した構造(バラバラ)のコンテキスト

 例3:情報量の爆発

 
順序関係のあるコンテキスト
 コンテキスト表     メタグラフ       完備化  

数値の大小関係を意味する。また、構造を持ってい
るメタ情報は、組み合わせても複雑化しない
独立関係のコンテキスト
 コンテキスト表     メタグラフ        完備化  

バラバラなメタ情報は、多くの組み合わせを持つ
情報量の爆発の例
コンテキスト表   メタグラフ        完備化  

バラバラなメタ情報の組み合わせは、ちょっと
要素が増えると情報量の爆発を生じる
メタ情報の構造化と情報爆発の関係
(精神医学からのデータ)

コンテキスト表    メタグラフ         完備化  

メタ情報が少しでも構造化
されていると、それらの組
み合わせは激減する
コンセプトラティスからの知識獲得

 例1:

  太陽系コンセプトラティスが示唆する知識

 例2:

  親戚の人の性格をもとに、性格コンセプトラ
ティスにより、子供や孫の性格を予測する
太陽系コンセプトラティスが示唆する知識
  コンテキスト表              メタグラフ

水星 木星 天王星
金星 土星 海王星
太陽系コンセプトラティスが示唆する知識

(1)太陽に近い惑星は、小さい。
(2)大きいか中ぐらいの惑星は、太陽から遠い
   つまり、 F=k・m/(r*r)  引力の存在

(3)月のない惑星は、小さい
性格コンセプトラティスが示唆する知識
    コンテキスト表           メタグラフ  
性格コンセプトラティスが示唆する知識

(1)礼儀正しさと親切な性格は、他の性格に
よらず独立し、影響を受けることは少ない。

(2)一度自信を持つと、多弁なったり野心を
抱く可能性がある。その結果、外面も気に
するようになる。

(3)短気になると、気むずかしい性格になる
可能性がある。
8.概念分析の応用
(1)概念の組み合わせと演算
  複数のコンセプトラティスやメタ情報の組み合わせに
より、さらにいろいろな概念を作り出すことができる

・複数の概念を混合する
・ある概念へ他の概念を当てはめる
・ある概念を別の概念で割る
・2つの概念を上位と下位に位置づける
8.概念分析の応用

► (2)ソフトウェア工学への応用

オブジェクト指向によるソフトウェア設計分野において、
 (プログラムをオブジェクト(ものという意味)を組み合わせて構成する方法)

オブジェクトのもととなるクラスの自動設計の可能性
  クラス=手続き+データ+継承・集約関係+・・・
  「外延」⇔「クラス」に対応
  「内包」⇔「属性」と「メソッド」に対応
  
システム分析にFCAを適用 
         
9.まとめ
► これまでのコンピュータ ⇒知識獲得の困難さと推論における
情報量の爆発 ⇒ 知識構造の重要さ

► 人間の子供の成長過程 ⇒
   生活環境というコンテキストからの知識習得

► 人間の頭脳 ⇒
  状況に応じて、核となる知識(メタ情報)を瞬間的に組合せてい
る  ⇒ 新たな知識を生み出す

► 概念分析(Formal Concept Analysis) ⇒


メタ情報抽出は、人の知識習得と導出によく類似
  物事を考えるときのヒントにもなるのでは?
10.おわり

ご静聴ありがとうございました。

このスライドは、下記URLにあります。
(http://zemi-os.adin.hamamatsu-u.ac.jp/freechoice2.html)

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